UIUXデザインの改善、と言われても、非デザイナーにとってはさっぱりでしょう。

そもそも、非デザイナーにとっては、UIUX自体の意味を知らない方もいらっしゃるかもしれません。ですから、まずそこからご説明したいと思います。

UIUXとは、UIと、UXをまとめた言葉です。UIとは画面に映る操作媒体のことで、UXはそこから得られる体験のことです。

そのため、UIUXは統括して、あるアプリないしWebサイトなどの操作感、という意味を持ちます。

さて、そんなUIUXですが、どのように改善すべきなのでしょう。そもそも、何をもって改善できたとみなせるのでしょうか。

そのために、まずトーン&マナーと機能性という言葉を知り、その上でUIUXの改善はどちらに属するものなのか、ということを理解しなければなりません。

では、それぞれ見ていきましょう。

UIUX改善とは機能性を高めること

UIUXのデザインで発生する作業は、主にデザイン面、機能面の二側面に分類できます。

その内デザイン面に属するものを、「トーン&マナー」と呼びます。このトーン&マナーは、主にブランディングの観点から考えるべきもので、例えば「この会社はこう言ったブランディングをしているから、こういう配色でこういう雰囲気にすべきだ」という考えがトーン&マナーに分類されるものです。

一方機能面は、そのまま機能性とされます。その通り、「使いやすさ」「誤操作を減らす」「迷わないようにする」という効果を目指すのが、機能性に分類される考え方です。

UIUX改善と言えば、もっぱらこちらの機能性を高める意味合いで使われます。

それが分かれば、基本となる考え方は理解したも同然です。では早速、UIUXで改善したいポイントについて一緒に見ていきましょう。

改善において気を付けたいポイントは、以下の通りです。

・ユーザーが考えなくとも分かるか
・ユーザーテストを行う

一つ一つ解説していきます。

UIUX改善のポイント  

ユーザーが考えなくとも分かるか  

良いUIデザインとは、ユーザーが考えなくても使い方が分かるデザインのことです。

こちらがUIの機能性を考える上で基本となる指針なのですが、これだけのことが非常に難しいとされているのがUIUXデザインの分野です。

例えばボタン一つをとっても、文字だけで黒塗りだと絶対に気付いてもらえませんし、ボタンでも黒文字だと厳しいものがあります。文字が青くなっていると気づける人は気づけるようになりますが、まだ分からない人はいるでしょう。ボタンに立体感が出てきてやっと、多くの人が認識できるボタンになってきます。

また、ボタンが押せることに気付いても、文言が悪ければ遷移先が分からず不安に思うユーザーは多いでしょう。ボタンの文言が「詳細」だと、まず間違いなく「何の詳細か」が分かりません。

他にも、業界の言葉をさも当然のように使ったとき、大抵のユーザーには理解できないでしょう。では、ここで一つ例文を挙げたいと思います。

例文
LPで重要なのはCVです。そのためにファーストビューにはCVボタンを設置し、かつ評価しやすいようにヒートマップを設置することが推奨されます。

……いかがでしょうか。Webデザイン関係の方ならば恐らく普通に読める文章かと思いますが、非デザイナーにとっては目が滑って仕方がない文章だったのではないでしょうか。

このように、「相手に分からない文言はそのままストレスになる」という側面があります。そのストレスを前に、ユーザーは二通りの反応を示します。つまり**分からない言葉を使うな!**と憤慨するか、認識すら拒絶し、後にUIUXの操作に迷うことになるという事です。

このようにUIUXは、非常に細やかな気配りがしなければ、そのままユーザーにとって不満につながる非常に重要な要素なのです。

しかしこのUIUXは、ベテランなら問題なく「考えなくとも使用できる」ようにデザインできるかというと、そうではありません。

何故なら、考えなくとも分かる、というラインは、人それぞれで違うもの。ゲームになれていないユーザーからすればどんなに易しいUIUXでも困難ですし、とても扱いやすいWebのUIUXでも、そもそもPCになれていないおじいちゃん世代のユーザーには難解すぎて使えない、という事があり得ます。

逆に、誰にでも分かる、を目指して可能な限り言葉を尽くし、分かりやすい情報の掲載を目指したとしても、情報が氾濫して目立たせたい情報が埋まってしまう、なんてこともあり得ます。

すでにユーザーが一番気になる情報を掲載済みなのに、他の情報まで網羅的に載せてしまったばかりに、その情報に気付けない、という例は多いです。そういう場合に、余計な情報を削って必要な情報を目立たせたら申し込みの数が何倍にも膨れ上がった、なんてケースはざらです。

じゃあどうすればいいんだ! そんな声が聞こえてきそうですが、そんなあなたに、私からとても手っ取り早い方法をご紹介したいと思います。

丁寧にしてもし足りないかもしれないのに、丁寧にし過ぎると伝わらないかもしれない。そんな難しい状況を打破するための、もっとも簡単な方法。

それは、ユーザーテストをすればいいのです。

ユーザーテストを行う  

ユーザーテストとは、その名の通り「開発者以外のユーザーに、実際に使用してもらい、問題なく使用できたかを確認するテスト方法」です。

要するに、想像力の限界がある十人十色の分野なのだから、実際に試して答えを知ろう、というやり方になります。

想定されるターゲットに行ってもらう事で、適切な形で「ユーザーはこれに気付けないのか」「この意味が伝わらないのか」という大きな気づきを得られます。

専門機関に依頼すると中々コストのかかる分野ではありますが、知人友人に試してもらうだけでも、大きな効果があることを断言します。

では、ここでユーザーテストによって改善された事例を紹介します。

・事例

ユーザーは、細かい操作にも反応がないと疑問を抱いてしまいます。

登録型のサービスで「有料会員のみが閲覧可能な情報を見るためのボタン」がありました。このボタンは有料会員の操作にのみ反応して閲覧タブが開いたり閉じたりするのですが、無料会員にはそれが出来ません。

ユーザーテストでそこに疑問をもったというユーザーにヒアリングを行ってみたところ「反応がないからここの機能が誤作動を起こしているのかと思った」と不安になったとのことでした。

そのため、「誤作動が起こっていない」と明確にするために、無料会員が「有料会員のみのボタン」をクリックした場合、「こちらは有料会員のみが閲覧可能な情報です」とダイアログを表示するUIを実装したところ、そのユーザーは「不安が解消された」として有料会員のブランに加入してくれました。

誤作動を起こすサービスは、ユーザーから信用を失ってしまいます。信用を失うと、小さなところでユーザーが離れていってしまう事もあります。UIUXとは、それほど重要な要素なのです。

まとめ  

UIUXの改善とは、主に機能面を改善するという意味合いを持ちます。

このUIUXの改善で大切なポイントは、「ユーザーが考えなくても問題なく使用できる」というものです。これが基礎にしてゴールにあたるのですが、ベテランでも困難なほど、様々な状況とユーザーを想像しなければなりません。

そのため、ユーザーテストを行うことで、実際のユーザーがどのようにUIUXを扱うかを知り、具体的な改善策にたどり着くことが出来ます。