LPOという言葉を、最近耳にするようになってきたかと思います。
ですが、LPOとは一体何なのでしょうか。LP、と聞いて連想するのは、やはりランディングページのことでしょう。ですが、Oにはいったいどんな意味が? 似た言葉としてSEOがありそうですが、関係性はどうなのでしょうか。
単刀直入に言うと、LPOとはランディングページオプティマイゼーションの略で、「ランディングページ最適化」を意味します。
ですが、このLPO、意味は分かりましたが、実際のところどのようにすればいいのかは難しいところです。何をすればLPは最適化されるのでしょうか。
それは、以下の4つの構成を適切に構築することで最適化されます。
・ファーストビュー
・説得
・購買リスク回避
・購入の理由付け
では、一つ一つ説明していきたいと思います
ファーストビューとは、LPに移動した時、閲覧者が初めて目にする画面のことを指します。
ここは非常に重要度が高いことで知られていて、LP全体から見た直帰率は、ファーストビューで何と7割も占めるのだとか。
逆説的に、LPの内7割分の重要度を占めるのが、このファーストビューなのです。しかし、そんなLPは、どのようにすれば最適化が出来るのでしょうか。
キーワードは、以下の三つです
・コンバージョンボタン
・多すぎない情報量
・ブランディングを意識したデザイン
まず、コンバージョンボタンから見ていきましょう。コンバージョンボタンとは、そのLPにおけるゴール、目標達成のことを指します。BtoBにおいては、「トライアル申し込み」「お問い合わせ」「資料請求」などがこれに当たります。
このコンバージョンボタンは、かならずファーストビューに置くべきである、というのが最近のデザイナーにとっての当たり前です。
理由はやはり、ファーストビューは7割の重要度を占めるからでしょう。コンバージョンボタンは頻繁に配置すべきものですが、重要度的に7割を占めるファーストビューに置かない理由はありません。
といっても、抽象度が高くイマイチピンとこない方もいらっしゃるでしょう。そんな方のために具体例を示すと、例えば「このページに申し込もう!」と最初から決めてLPを訪れた閲覧者が居たとしましょう。
そんな閲覧者が見たファーストビューにコンバージョンボタンが配置されていれば、何も考えずに即押して次に進んでもらえます。しかし、ファーストビューにコンバージョンボタンがなく、しかもしばらくスクロールしてコンバージョンボタンが見つからなかったらどうなるでしょうか?
そのとき、折角その気になっている閲覧者が、そのままやる気を失ったLPから去ってしまう危険性に帯びるのです。そんなもったいないことはありません。そのため、コンバージョンボタンをファーストビューに置くのです。
次に多すぎない情報量について説明します。といってもこれは簡単で、第一印象を構築するファーストビューの情報が多すぎた場合、閲覧者は混乱して、「よく分からないサイト」と認識してしまうからです。
そうなったとき何が起こるのかといえば、やはり直帰でしょう。ブラウザバックされて、そのままその閲覧者は二度と戻ってくることはありません。ファーストビューで閲覧者を混乱させるのは、下策もいいところです。
そのため、印象が分かりやすいように、情報量を絞ってすっきりさせる必要があるのです。
最後に、ブランディングを意識したデザインについて説明します。
これは多すぎない情報量の真反対で、マイナス要因をなくすのが「多すぎない情報量」なのだとすれば、「ブランディングを意識したデザイン」は、第一印象を良くする。つまりブラス要因の構築のためのコツとなります。
ブランディングを意識したデザインができると、「この製品・サービスは高級志向で質が良いんだ」とか「この製品・サービスは他社のどこよりも安いんだ」といったブランディングイメージを構築できます。
そうすることで、よりターゲットに刺さるイメージ構築が出来て、ファーストビューで好印象を持ってもらえる、という訳なのです。
説得フェーズは、ファーストビューの直後から始まります。
ここでは、製品・サービスの価値や「あなたの会社が抱えているこんな問題を、この製品・サービスがこんな風に解決します」ということを、分かりやすく説明します。
このフェーズで大切なことは、文章に人を説得させうる論理性があるかどうかです。これこれこうだからこう、という内容を、すんなり理解できるように説明することが求められます。
ただし、それだけだと初めの一回を作って終わりです。LPは、データを取って様々なやり方で改善していくのが王道とされています。ですので、その改善方法について、ここでは以下の二つを説明します。
・ヒートマップ
・A/Bテスト
まずヒートマップについて説明します。
ヒートマップとは、特定のLPを訪れた閲覧者の行動をデータ化し、それを色付けして表現することで、行動が直観的に理解できるようになるデータ解析法です。
ヒートマップには様々な種類があり、
閲覧者に熟読されている部分を判別する「アテンションヒートマップ」
閲覧者がどこで離脱しているか分かる「スクロールヒートマップ」
どこがクリックされているか分かる「クリックヒートマップ」
マウスの動きから閲覧者の興味を分析する「マウスフローヒートマップ」
などがあります。
ヒートマップで、例えば読み飛ばされているところが説得フェーズであったなら、説得フェーズの文章を再考する必要があるでしょう。閲覧者が高い確率で離脱する箇所があれば、そこを改善すべきでしょう。
このように、問題点を割り出すことが出来るヒートマップから、よりコンバージョンに誘導できるLPOを為すことが出来るのです。
次にA/Bテストについて説明します。
A/Bテストとは、2種類(あるいはもっと)用意した表示画像や文章を、ランダムに表示することで「どっちが効果が高いのだろう」ということを割り出す分析法のことです。
このA/Bテストを繰り返すことで、「ここの文章はこの方がいい」とか「ここの画像はこっちの方がいい」とデータから確実に効果のある方を選びぬくことが出来ます。
そのため、ヒートマップでは「どこを改善すべきなのか」、A/Bテストでは「どちらに改善すべきなのか」が分かるのです。
購買リスク回避フェーズでは、閲覧者がコンバージョンに至るまでの不安を取り除き、安心させる役割があります。
例えば閲覧者の疑問点を先回りして回答したり、品質保証や製品保証など、公的機関の太鼓判を示すことで、閲覧者に安心してもらうのが、このフェーズですべきこととなります。
ここでお勧めなのが、利用者の声でしょう。しかしBtoBのLPでは、クライアント企業にとっての企業秘密に抵触するなどで、利用者の声をそのまま掲載する訳には行かないこともあります。
そう言ったとき、導入事例という形で、重要な部分をぼかしながら掲載するのがBtoBのLPにおける定石です。利用者の声という口コミ効果は欲しいが、クライアント企業の企業秘密は漏らせない、というときに導入事例が使えます。
最後に、購入の理由付けフェーズに突入します。LPの最後まで読んでくれている時点で、その閲覧者はLPの製品・サービスに大きな関心を抱いているとは間違いありません。
そんな閲覧者の背中に最後の一押しを加えるのが、この理由付けのフェーズとなります。「2ステップで購入完了」とか「メールアドレスを入力するだけ」といった文言はここまで読み進めてきた閲覧者に「それだけなら……」とコンバージョンボタンを押させることが出来ます。
これが、理由付けにおいて重要なコンバージョンのハードル下げです。
またさらに理由付けとして有効なのが、「期間限定」とか「先着○名様限定価格」などの、プレミア感を煽る文句です。ただしBtoBで本能を煽るような真似をしても効果は薄いですから、BtoB向けLPでの理由付け煽りならば「サンプルプレゼント」といった形がおススメです。
ここまでで、LPOするための、LPの構築要素を4つに分解して整理しました。
・ファーストビュー
・説得
・購買リスク回避
・購入の理由付け
ファーストビューは
・コンバージョンボタン
・多すぎない情報量
・ブランディングを意識したデザイン
の3項目が重要でした。7割が離脱するこのファーストビューで、「その気になっている閲覧者を即コンバージョンさせるためのコンバージョン」「混乱させないための多すぎない情報量」そして「好印象を抱いてもらうためのブランディングを意識したデザイン」です。
次に、説得フェーズです。ここでは論理性が重要でした。また、改善の方法として
・ヒートマップ
・A/Bテスト
を説明しました。
ヒートマップはLPの中でも問題のある箇所の発見に役立ち、A/Bテストはどちらがより効果的なのかを分析できる方法でした。
購買リスク回避は、閲覧者を安心づけるフェーズでした。
効果的な方法として、BtoBでは導入事例を使うのがおススメです。何故なら、口コミ効果とクライアント企業の企業秘密を守ることを、同時にできるためです。
最後に、購入の理由付けフェーズです。
ここでは「メールアドレスだけ!」など、コンバージョンのハードルを下げる事と、「サンプルをプレゼント」といったプレミア感を煽ることが重要でした。
以上の方法で、LPOは大幅に進められることでしょう。是非LPのコンバージョン率を上げたり、離脱率を下げるのに役立ててください。