サイトはデザインにおいても機能においても、いつしか古くなるものです。そうなるとリニューアルの必要性に駆られるでしょう。

ですが、実際のところ、どんな基準で古くなった、リニューアルせねばならない、と判断すべきなのでしょうか。

それは、以下の条件に当てはまった場合です。

1.デザインが古くなったとき
2.機能が古くなったとき
3.セキュリティ対策が十分でないとき
4.増えた情報で構成が複雑になったとき
5.アクセスやコンバージョンが減少しているとき
6.スマホ対応してないとき
7.顧客ヒアリングで需要と供給のズレが発覚したとき
8.ブランディングを見直したいとき

この条件について、本記事ではBtoBサイトについて着目して見ていきたいと思います。

デザインが古くなったとき

デザインが古くなったときが、真っ先に挙げられるサイトリニューアルのタイミングです。

しかし、デザインが新しい、古い、というのは個人の感覚に依存するもの。具体的な指標ではないため、判断に困ってしまうかもしれません。

そのため、ここは一般的にサイトデザインがどのくらいのスパンで変化していく、という話をしたいと思います。

サイトのデザインの流行は、一般的に2~3年で変わっていく、と言われています。なら、2~3年ごとにリニューアルせねばならないのでしょうか。

その答えは、いいえ、です。

サイトのデザインがそのままでいて問題ない期間は、ターゲットによります。BtoBサイトにおいては、5~6年という意見が主流です。

そのため、何となくデザインが古いな、と感じた場合、以前サイトデザインに手を入れたタイミングから、何年が経過したかを考えましょう。それがもし5~6年前だったのであれば、間違いありません。そのサイトデザインは、リニューアルに適した時期に差し掛かっています。

機能が古くなったとき  

機能が古くなってきた、というタイミングも、多くのビジネスパーソンが直面するサイトリニューアルのタイミングです。

これは、デザインに比べれば客観的に判断しやすい要素と言えるでしょう。つまり、競合他社のサイトなどが軒並み備えている機能が、自社サイトに備わっていない。そう言ったタイミングが、機能が古いという事に起因するリニューアルタイミングです。

セキュリティ対策が十分でないとき 

現在、サイトには基準として果たされている必要がある、とされるセキュリティの水準が存在します。

それは、SSL化されているか否か、という水準です。

SSLとは、インターネット上の通信を暗号化するためのシステムです。

SSL化されていないサイトではどうなるかと言うと、「保護されていません」とサイトから自動で警告がなされ、かつGoogleからマイナス評価を受けるため、検索でより引っかかりにくくなってしまいます。

判断基準は、サイトURLが「http://」であること。SSL化が済んでいれば、「https://」になります。

もしサイトのURLが「http://」だったなら、迅速にリニューアル対応を始めることをお勧めします。

増えた情報で構成が複雑になったとき  

サイト情報は、新製品・サービスの紹介ページや、ブログなどの掲載など、運用を続けていればいるほど、情報が増加してまとまりがなくなっていきます。

そういった掲載ページも一つの財産ではあるのですが、増加に増加が重なって導線なども入り乱れてくると、ユーザーはどこからどのように進めば目的のページに至れるのか、と混乱してしまう事でしょう。

そうなった時、ユーザーはまず間違いなく離脱します。

基本的に読みやすく理解しやすいサイトであふれている現代において、読みにくい、分かりにくいサイトは見向きもされません。そうなったときこそ、サイトリニューアルのタイミングです。増加し過ぎた情報を、根本から整理してすっきりと見やすくすれば入ってきてはすぐに離脱していった閲覧者たちも、ちゃんとサイトを見てくれるようになるでしょう。

アクセスやコンバージョンが減少しているとき  

アクセスやコンバージョンが減少しているとき、というのは、中々難しいリニューアルタイミングです。

というのも、減少している、という指標は非常に客観的で明確なのですが、実際に何が悪くてアクセスやコンバージョンが減少しているのか、という点は状況によって様々です。

その判明が、アクセスやコンバージョンの減少時の、リニューアルの難しさと言えるでしょう。では、どのように分析していけばいいのでしょうか。

BtoBサイトにおいては、2つの分野が重要となります。それは、以下の通りです。

・SEO対策
・コンバージョンボタン

アクセスが下がっているのなら、SEO対策が不十分な可能性が高いです。

SEO対策とは、検索エンジン最適化のことです。Googleで検索したとき、ちゃんとページが表示されるか、ということについて対策するのが、SEO対策、ということになります。

一方、コンバージョン数が少なくなっているのなら、コンバージョンボタンの配置に問題がある可能性があります。

例えば、ファーストビューと呼ばれるページ表示直後の画面にコンバージョンボタンが配置されているか。サイトを読んでいるとき常にコンバージョンボタンにアクセスできるか。そう言った点がしっかりしたコンバージョンボタンとなっているかをチェックすると良いでしょう。

スマホ対応してないとき  

BtoBサイトだから、と軽視してしまうのがスマートフォン対応でしょう。

ですが、BtoBサイトであっても、スマートフォン対応は必須です。特にスマートフォンネイティブ世代がかなりの割合で社会人になっている現代においては、やらない理由がないと言っても過言ではありません。

でも、BtoBサイトは業務時間中に、PCで確認するものではないか。そんな風に考える人もいるかもしれません。ですが優れたビジネスパーソンほど、BtoBサイトのピックアップくらいならば、通勤中にスマートフォンで済ませてしまうものなのです。

そんな優れたビジネスパーソンが、スマートフォン非対応のサイトを目の当たりにしたとき、どのように考えるでしょうか。「時代遅れのサイトの時代遅れの会社」そんな風に考えるに違いありません。

もしあなたの会社のサイトがスマートフォン非対応のサイトだったなら、今すぐサイトのリニューアルを考えるべきです。

調査で需要と供給のズレが発覚したとき  

サイト運用の一環で、顧客ヒアリングを行う機会があるかもしれません。

そういったときに、顧客は想定と違う動きをする、というのは一つの定番です。顧客は開発陣が想定していない形でサイトからメリットを得ます。それが明らかに開発陣の考えるメリットと異なっていた場合、サイトリニューアルのタイミングです。

例を挙げましょう。クレジットカード会社のサイトで、クレジットカード会社は投資など、お金を使うページへのリンクを大きく表示する方針で開発していました。

そんなクレジット会社でしたが、顧客ヒアリングのタイミングでサイトを使用する顧客の動きを確認した時、顧客は大きなボタンで配置されているお金を使うページへのリンクを完全に無視して、真っ先に小さく配置されていた理由明細ページに遷移しました。

何故かと言うと、顧客はクレジットカードという「どれだけお金を使ったか把握しづらい」サービスで、不安に駆られてその額を確かめる、というのが主流のサイトの使用方法だったためです。その後にヒアリングしたところ、大きく配置していたボタンは記憶にも残っていないようでした。

このように、顧客ヒアリングでは顧客の感じるメリットと開発陣の考えるメリットは別であった、という事はままあることです。そのズレが発覚したなら、サイトリニューアルに踏み切りましょう。

ブランディングを見直したいとき  

会社の方針が変わって、異なるターゲットに商品、サービスを提供したい、というタイミングに会社が差し掛かることがあります。

そうなったときに一緒に代わるのがブランディングです。ブランディングというのは、要するに会社の雰囲気や信用です。こんな事業が得意な会社。こんな商品、サービスを提供する会社、という認識が、そのままブランディングとなります。

そして、ブランディングを変えたら自然と変えざるを得ないのがサイトデザインでしょう。高級志向にブランディングを変更する、というタイミングになっても、サイトデザインが変わらず大安売りを売りにしていたのでは、顧客も混乱してしまいます。

しかし、ブランディングの変更となると、どんなデザインが適切か、当初は分からない可能性もあ高いです。その場合は、A/Bテストを行うとよいでしょう。

A/Bテスト  

A/Bテストとは、バナーや広告文、WEBサイトなどを最適化するためのテストの一つです。

特的の要素以外ほぼすべてを同じものにして、吟味すべき一要素のみ、Aパターン、Bパターンを用意します。そしてそのAパターンとBパターンをランダムに表示し、そのデータを比較することで、どちらがより高い効果を持つのか、という結果を検証できます。

もちろん、A/Bテストという名前ですが、3つ以上のパターンを試すのでも、何ら問題はありません。

効果は確かですので、機会があればぜひお試しください。

まとめ  

以上が、サイトデザインを変更するタイミングです。では、最後にその条件をまとめ直します。

1.デザインが古くなったとき
2.機能が古くなったとき
3.セキュリティ対策が十分でないとき
4.増えた情報で構成が複雑になったとき
5.アクセスやコンバージョンが減少しているとき
6.スマホ対応してないとき
7.顧客ヒアリングで需要と供給のズレが発覚したとき
8.ブランディングを見直したいとき

以上の8つの条件のいずれかが当てはまったなら、リニューアルに適したタイミングと考えて問題ありません。時代や需要に即した条件を整えて業績を上げるためにも、リニューアルに踏み切りましょう。