BtoBサイトの制作は、企業にとって大掛かりな事業となります。

それ故回数をこなす、という機会も少なく、失敗に見舞われる事例も珍しくありません。例えば、せっかく作ったのにアクセス数などが伸びない、目的達成にあたるコンバージョンの数に繋がらない、などです。巨額を投資してそうなってしまっては、目も当てられません。

そんな失敗を避けるために、今回は失敗事例を5つご紹介します。また、その失敗事例に付随して、対策を考えていきましょう。

今回紹介する失敗事例は、以下の5つです。

・目的が明確でない
・コンバージョンボタンが適切に配置されていない
・SEO対策がなされていない
・ターゲットが誰か分からない
・ファーストビューを構築できていない

それぞれ一つ一つ解説していきたいと思います。

目的が明確でない  

何となく「自社サイトが欲しいから発注しよう!」と言う見切り発車に起こりがちなのが、この「目的が明確でない」という失敗事例です。

自社サイト、特にBtoBサイトでは、目的が明確である必要があります。何故なら、BtoBサイトはBtoB事業にとって、自動で働いてくれる営業職のようなもの。何となく営業職を雇おう! とならないように、何となくBtoBサイトを依頼しよう! という浅慮は止めましょう。

目的が明確でないままにBtoBサイトの制作に臨んだ場合にどうなるか、というと、非常に悲惨な結果が待っています。

目的なくして制作されたBtoBサイトは、まず前提として企業の利益を上げることはありません。巨額の投資をしたにもかかわらず、です。しかしそれはあくまで前提。目的のないサイト制作は、十中八九燃えに燃えるでしょう。俗にいう炎上案件、という事です。

そもそも目的がない以上、作りたいビジョンもないという事になります。そして作りたいビジョンがないという事は、その場の気分で様々な要素が左右されるという事。その時点で実質的に要件定義がないという意味になります。

そうなれば設計図にあたるサイトマップとワイヤーフレームの作成から難航しますし、やっとそれが出来ても、いざデザインの作成、と言う段階で追加発注、開発期間の遅延、延長、追加料金の発生までは容易に想像がつきます。

目的は必ず明確にしましょう。でなければ、待っているのは本当に悲惨な未来です。

対策  

そもそもBtoBサイトの目的とは何か、という事を理解して臨めば、上記のような悲惨なことにはなりません。

BtoBサイトの目的とは、自社の商品、サービスの紹介、説明をある程度のところまで勝手にやって、最終的には営業にリードを渡してくれる、というものです。

つまり、顧客企業に稟議に必要な資料までを自動で渡してくれる、窓口の営業職の代わりを務めてくれる、というのがBtoBサイトの目的であり、役目となる訳です。そうして顧客企業の稟議に通って問い合わせにまで至った時、細やかに対応できる営業職の人間にリードを渡すことになります。

そういった目的が分かっていれば、余計な要素にコストをかけることもありません。BtoBサイトにおける経営理念などは、顧客に経営理念を語る愛社精神の強すぎる営業職のようなもの。目的が分かれば、不要なものはカットできる、という事なのです。

コンバージョンボタンが適切に配置されていない  

BtoBのサイトデザインに精通していないとやってしまいがちなのが、コンバージョンボタンの配置が適切でない、という失敗事例です。

まず前提として、コンバージョンボタンとは「目的達成のためのボタン」という事になります。BtoBサイトの目的は営業にリードを渡すこと。そのために必要なのは、まず顧客企業の稟議で選ばれること。つまりサイト内での目的は、稟議用の資料だったり情報だったりを提供することとなります。

それでコンバージョンボタンの配置が適切でないとどうなるのか。それは、例えアクセスが何百万という数字になっても、お問い合わせ、トライアル、資料請求と言った成果=コンバージョンには何もつながらない、ということです。

具体的な例を出しましょう。例えばページを閲覧して読み進めている閲覧者が、説明の途中で魅力を感じ、その後の説明を飛ばしてコンバージョンしたい、問合せしたいと感じたとします。

ですがコンバージョンボタンが探してもどこにもない、となったらどうでしょうか。このとき、実際にはコンバージョンボタンは配置されていたのですが、ページの最後尾に一つ配置されていただけで、閲覧者はそこまでたどり着けなかったのです。

そうなると閲覧者はどうするのでしょう。見つかるまで探すのでしょうか。いいえ、違います。閲覧者はコンバージョンしたくなったのにもかかわらず、コンバージョンボタンが見つからないあまり、コンバージョンを断念しページから離脱してしまうのです。

このように、コンバージョンボタンは適切に配置されている必要があります。でなければ、折角その気になってくれた閲覧者ほど、逃してしまうのです。

対策  

コンバージョンボタンをどこに配置すればいいのか、という問題ですが、基本的に二点を押さえておけば問題ありません。

・コンバージョンボタンをファーストビューに配置する
・コンバージョンボタンを随所または表示場所に追従させる

この二つさえ押さえておけば、コンバージョンボタンの配置場所の認識は問題ありません。

前者ファーストビューは、ページの最初の部分です。ここで離脱する閲覧者は非常に多いため、まずファーストビューに置く必要があります。

後者随所または追従というは、要するに「いつでも押せる」と言う状況を閲覧者に提供するための仕組みです。押したくなったときに探す必要がなければ、そのままコンバージョンしてもらえるのです。

SEO対策がなされていない  

そもそもSEO対策とは何か、ということから説明すると、SEO対策とは「検索エンジンで上位に表示されるために必要な対策」のことです。Googleなどで検索した時に、正しく上位に表示されるか否か、という問題になります。

このSEO対策がされていない、と言うのが今回説明する失敗事例です。

この場合に何が起こるのかと言うと、どんなにコンバージョンボタンに気を配っても、そもそもアクセスがないから誰もコンバージョンボタンどころかファーストビューすら見てもらえない、という現象です。

勝負の土俵に立たせてもらえていない、というのがこのSEO対策不備になります。

対策  

では実際にSEO対策はどのように行えばよいのか、という事ですが、基本的に内部対策をしっかり行う、というのが主眼となります。内部対策とは、Webページを検索エンジンに正しく評価してもらうための施策です。

この内部対策の具体的な方法としては、専門性、権威性、信頼性を高めるのがよいでしょう。つまり、自分の言葉で、専門的に役立つ情報を作成する、という事になります。

弊社ブログでは、弊社の事業に関わる知識から、記事のテーマとなるワードを検索して、どのくらいの人間がそのワードに着目しているのか、ブログ記事は目安として何千字なのか、という基準でSEO対策を行っております。

ターゲットが誰か分からない  

どんな商品、サービスを求めたどんな顧客が来るのか、ということを、マーケティング用語でターゲットと言います。このターゲットが誰なのか、と言うことが分からない、というのがここで゛説明する失敗事例です。

ターゲットが分からない場合にどうなるか、というと、ターゲットが望まないコンテンツを大量に用意して、ターゲットが必要とするコンテンツが枯渇している、と言うような状況が発生します。つまり、シンプルに魅力に欠けたBtoBサイトが完成します。

この魅力に欠けたBtoBサイトでは、コンバージョンボタンを押そう、という気持ちに閲覧者を導けません。商品、サービスは、本当なら魅力的なものであったとしても、そうなってしまうのです。

対策  

そのままズバリ、ターゲットを明確にするほかありません。そのために必要なのは、ターゲットのペルソナを作成する、という事です。

ペルソナとは、商品、サービスの典型的なユーザー象のことです。つまり、ターゲットはどんな人物なのか、ということを想像し仮定することになります。

例えばBtoBの閲覧者のペルソナは、上司から調査を命じられた一般社員でしょう。一般社員は業務の合間を縫って調査するため、簡潔に理解できるサイトを好むはずです。ならば、容易に読み進められるサイトを作成し、詳しい情報はコンバージョンボタンで提供する資料に載っていればいい、という判断が下せます。

このように、ターゲットのペルソナを作成することで、ターゲットが誰か分からない、という失敗を避けることが出来ます。

ファーストビューを構築できていない  

ファーストビューとは、前述の通り、ページを訪問したユーザーが最初に目にする画面のことを指します。雑誌で言うなら表紙に当たる、非常に重要な要素です。

このファーストビューを構築できていない、というのが今回の失敗事例です。

ファーストビューが構築できていないとどうなるのか、というと、アクセスしてページにたどり着いてくれた閲覧者が、「このページは良くなさそう」とたったの数秒で離脱してしまう事態を招きます。

ファーストビューは、それほど大事な要素なのです。一般的に、ファーストビューで閲覧者の70%は離脱すると言われています。このファーストビューを構築できなければ、もっと多くの閲覧者が、魅力的なコンテンツが下に続いていたとしても、離脱してしまうのです。

対策  

何をしている会社で、どんな強みがあるのか、といった最重要の情報を一目で分かるようにすることで、ファーストビューは構築されます。

また、忘れてはならないのがコンバージョンボタンです。ファーストビューが魅力的であれば、その時点で続きを読むまでもなくコンバージョンしてもらえるかもしれません。それは逆説的に、ファーストビューにコンバージョンボタンがなければ、そのまま離脱されてしまう、という意味でもあります。

商品、サービスにおける最重要情報と、コンバージョンボタン。この二つを揃えることが、ファーストビュー構築の対策となります。

まとめ  

以上が、失敗事例とその対策でした。では最後に、もう一度失敗事例をまとめます。

・目的が明確でない
・コンバージョンボタンが適切に配置されていない
・SEO対策がなされていない
・ターゲットが誰か分からない
・ファーストビューを構築できていない

以上の5つが失敗事例でした。あなたのサイト開発が、この記事の失敗例から外れていただけたなら幸いです。