Webサイト運営を考えていく、ということになったとき、重要なのは戦略性です。

戦略が固まっていないと、すべきことが曖昧になったり、結果が裏目に出るようなことすらあり得ます。

まず、現状はどんな状態なのか、そもそもWebサイトで何を目指しているのか、そのためにどんなことをすべきなのか。

そう言ったことを明確にしていると、日々の施策が明確になり、その結果を正しく評価できるようになっていきます。

そんな、戦略レベルでWebサイトの運営で行うべきことは、以下の通りです。

  • 目的の把握
  • 施策の実施
  • 組織盤石化

それぞれ説明していきます。

目的把握  

まず、自社サイトを、どのように成長させていきたいかを考えていきましょう。

Webサイトの運営における目的が何かを定義することは、必須事項です。Webサイト運営には少なくない経営資源が必要になりますので、「どのようにしていくか」「目的の通りに成長できたのか」ということは明確でなければなりません。

とはいえ、Webサイトの成長といっても多岐にわたります。

・広告運用
・集客の拡大
・獲得データの増幅
・顧客情報の収集

他にも様々な方向性があります。漠然とWebサイトの成長、と考えていても、漠然としていて何かしらの結果に結びつくまでに長い期間が掛かってしまいます。

重要なのは、施策の対象が誰か、その目的は何なのか、という事です。そこが決まってくると、自然と成長する方向性も定まってきます。

ターゲットが誰か、そのターゲットにどんな行動をとって欲しいか。

そんな目的を、最初に明確にしておくべきでしょう。

施策の実施  

目的が定まったら、Webサイトで実際に施策を実施していきましょう。

まずすべきことは、決定した目的の全体共有です。大きなレベルの目的が分かれば、担当者レベルでも施策内の行動の一つ一つを評価することが出来ます。

ですが、それだけでは「じゃあ次は何をすべきか」と考えたときに、選択肢の幅が広すぎる問題が発生します。

目的をチーム全体に共有するだけでは、担当者はうまく動いてくれません。担当者の実際の作業レベルに落とし込んで戦略を策定し、各担当者に通達していくことが重要です。

そうすることで、担当者は一つ一つの作業を行いながら、「ここはこうした方がいいのでないか」「ここは問題がある風に見えても、いずれこうなるから問題ない」と監督者からは見えないレベルの詳細度で、施策を把握し、行動してくれるようになります。

こうすることで、実際の実施段階はスムーズに動いてくれることでしょう。しかし、施策の実施には、必ず施策結果の評価が付きまといます。

評価は適切な数字を見ればそれで判断できる、と安直な考えを持ちがちですが、状況によっては同じ数字でも違う意味を持つことは多々あります。その評価のポイントを押さえていなければ、担当者も施策そのものも守れず、成果に結びつく寸前で中止になってしまうかもしれません。

ではその、『評価のポイント』とは何か。それは、既存の施策の効率化による成果と、新規施策の成果を別カテゴライズする、という事です。

新規施策は、既存施策に比べて成果は段違いに出にくい部分です。結果を一律に既存施策と比べると、どうしても見劣りしてしまいます。

そうやって結果が出ないと判断し、と中止してしまうのは、いわばやっと芽生えた植物の芽を、「大木と比べて見劣りする」といって摘んでしまうのと同義です。つまり、新規施策は評価の仕方に注意して、守っていかなければならないカテゴリーに属していると言えます。

新規施策は、新規施策内で評価していくべきでしょう。

組織盤石化  

上記二項で、目的の共有、チームそのものの構築は出来ました。ここからは、チームの盤石化についてのノウハウをまとめます。

ここで着目するのは、チームの外ながら、大きくチームに関わるステークホルダーです。要するに、Webサイト運営に対する可否を決める立場の人間のことで、経営陣と言い換えても問題ありません。

経営陣に対するアプローチは、経営資源確保のためのプレゼンテーションという形が大部分を占めます。

プレゼンテーションに必要な情報は、以下の三軸に関してです。

・現状
・課題
・目的

現状が分からなければ、そこに経営資源を投資する価値があるのか分かりません。課題が分からなければどのように施策を打ち出せばいいかの評価も出来ません。目的がなければ課題が適切かの判断も下せません。

経営陣は、一施策の企画者に比べて、会社全般に対する網羅的な情報を握っています。その判断は高度ですが、一方である程度大雑把になってしまいます。

そんな経営陣へのプレゼンテーションを成功させるには、コツがあります。

まず他事業との兼ね合いとして、今回企画した施策はどうなのか、という点です。ここが押さえられていると、経営陣に近い視座に立つことが出来ます。余程主観的になっていない限り、手元の企画段階で経営陣の反応が予想できるようになるのです。

次に必要なのが、経営陣では押さえられない詳細な情報です。経営陣はそう言った情報は忘却してしまうでしょうが、経営陣になる過程でその場その場の詳細情報に問題があるかないか、という事は判断できます。そう言った問答に対応するだけの、施策担当者だからこその詳細な情報は、プレゼンテーション段階で保持しておくべきでしょう。

まとめ  

以上が、Webサイトの運営で何をすべきか、ということへの、戦略的対応方法です。では最後におさらいしておきましょう。

Webサイト運営には、戦略が必要です。そして戦略を実施するためには、段階を正しく踏んで進行させる必要があります。

まず目的の把握を行いましょう。目的が分からなければ、施策の主軸が曖昧になってしまいます。Webサイトの成長の方向性は多岐にわたりますので、最初にどこを軸にするかを決定しなればなりません。

つぎに施策の実施です。ここで注意すべきは、目的からさらに作業者レベルにまで実施内容を具体化し、かつ成果評価に際して新規施策と既存施策を別に分けるという事です。これを怠ると、作業者が迷ったり、新規施策の評価を誤って芽を摘んでしまう結果になりかねません。

最後に、組織の盤石化です。これはつまり、経営陣への適切なアプローチをどのようにするかという事です。経営陣から経営資源を獲得するのは容易なことではありません。経営陣が施策に対して価値を感じられる必要があります。

そのために必要なのは、まず経営陣と同じ視座に立つための、他事業に対する知識。そして経営陣が持ちえない、かつ経営陣からの精査に耐えうる現場の詳細な情報です。

以上が、Webサイトの運営で、何をすべきか、についてのまとめです。是非ご活用いただければ幸いです。